7月9日(土)の午後、益田未来協働フェスタ2022の締めくくりとして全体講演会を開催しました。広島大学大学院先進理工系科学研究科教授の薮田ひかる先生を講師にお招きし、「小惑星リュウグウの試料分析からわかってきたこと~わたしたちはどこからきたのか~」というテーマでご講演いただきました。薮田先生は宇宙地球化学がご専門で、2020年12月に小惑星探査機「はやぶさ2」が世界で初めて持ち帰った小惑星リュウグウの表層サンプルの分析において、固体有機物分析のリーダーとしてご活躍されました。講演前日は大学でのお仕事、翌日は国際学会にご出席というハードスケジュールの中、島根の高校生たちのためにできることがあればと快く益田までお越しいただきました。
講演では、リュウグウの微粒子の鉱物組成や母天体に液体の水が存在した可能性などの最新の研究成果を、貴重な映像とともにわかりやすく説明していただきました。貴重なサンプルを本当はもっと使いたいけれど大半は次世代の研究のために残してあり、将来もっと科学技術が進歩してさらに色々なことを分析できるようになれば次世代のあなたたちがサンプルを使って調べてほしい、という薮田先生の熱い思いもお聴きし、刺激を受けた高校生も多かったのではないでしょうか。島根の高校生が今回の講演をきっかけに科学や宇宙に興味を持ち、将来は研究開発に携わりたいと考えてくれるとうれしいです。
今回の講演は益田市民体育館での開催となり、グラントワのスタッフの方々に音響・映像等で多大なるご協力をいただきました。ありがとうございました。